上がらないから働かない?

2020年1月6日

経済協力開発機構(OECD)は、残業代を含めた全労働者の収入に基づき「一人当たりの賃金」を各国の通貨ベースで算出、指数化しているのですが、それによれば、2018年の日本人の1時間あたり賃金は、1997年に比べ8.2%減少したのだそうで、そのほかの先進国において、アメリカでは81%上昇、イギリスでは92%も上昇している中、 唯一のマイナスとなったのだそうです。

景気が上昇している中での日本型経営方法である「終身雇用制」「年功型賃金制」はうまく機能していたのですが、ひとたび景気が後退してしまうと、労働者を保護する意味合いの強い日本の労働法下では、 企業の経営が苦しくなっていうのは当然の話で、むやみやたらと賃金をアップさせることはリスクが高すぎます。

手渡し

年功序列や終身雇用というのは、ともすると長く会社に在籍していればお金が増えるというような甘ったるい考え方を芽生えさせることにもなりますし、経験をさらにいかして自分自身の成長を促すというような行為にストップがかかりがちですよね。

なにせ勤続年数によって、お金が増えていくわけですから・・・。

そもそも労働力なんていうのは、時間は関係なく、実力があって、成果を上げられることが一番大切ですし、年功序列なんてことで甘やかすからこそ、労働生産性が低いといわれてしまうんですよね。

しかも、実力のある人が、ただ勤続年数が長いからというだけの人間よりも給料が低かったら、もっと働こうなんて気にならないですよね。

一生懸命働かなくても、長くいることが給与アップの近道となるわけですから・・・。

また、この時期ともなると「ボーナスが出なかった」「雀の涙しかない」なんてことが取りざたされますけど、これ「ボーナスが出て当たり前」っていう感覚の人間が多すぎるのが間違ってないでしょうかね?

そもそも「なぜお金が貰えるのか?」を考えた場合、当たり前のようにボーナスが出るという発想自体が間違っているんですよね。

自分のやってきた仕事量とその成果に対して、しっかりと「ボーナスが出ないとおかしい」なんて答えられる人って、いったいどれくらいいるのでしょうかね?

賃金が上がらないということで企業が叩かれがちですけど、そもそも労働者側の意識も変えていかなかければ、いつまでたっても生産性なんてあがりませんよね・・・。

残業しようが、長い時間働こうが、それが成果として上がっていなければ意味がないということをもっと理解すべきですよね。

お金を稼ぐということは難しいことなんですよ。