マイナンバー関連システムの自治体利用が低迷

発注後に29回の契約変更が繰り返されていたマイナンバーの関連システムの年間利用率が運用開始から3年たった2020年度でも、想定の約41%にとどまっているのだそうですね。

関連システムには、20年度末までに475億円の税金が投じられていて、今後マイナンバー政策における費用対効果が問われそうですね。 

これは、デジタル庁やシステムを運用する「地方公共団体情報システム機構」への取材で判明したのだそうで、このシステムは、全国の自治体のシステムとマイナンバーのネットワークをつなぐ「自治体中間サーバー」のようで、各自治体がばらばらに管理する個人情報をネットワーク上で相互利用する情報連携は17年7月に試行され、その4カ月後から本格的に始まったのだそうで、機構によれば、所得や税控除額、世帯主の続柄などの確認に使われることが多いとのことで、機構はサーバーの年間の利用を3億2000万件と想定していたようですが、当初から思うように利用が進まなかったうえ、15年に日本年金機構から125万件の個人情報が流出した問題を受け、年金業務の情報連携は大幅に遅れました。

19年4月から年金業務の情報連携が段階的に始まったのですが、19年度のサーバー利用率は15.2%、20年度は41.3%、21年度は12月末時点で41.5%とわずかな上昇傾向にあるものの、依然、想定との開きがあるようで、機構やデジタル庁によると、サーバーには20年度末までに、ソフトウエアの開発に15億円、ハードウエアの整備やサーバーの運用に460億円が支出済みとなっており、サーバーの維持には毎年、人件費を含め50億円前後の経費がかかるのだとか。

また、サーバー以外にも情報連携のネットワーク全体で見ると、全国の自治体のシステム整備に対し、総務省から14、15年度の2年間で計180億円の補助金が支出されているようです。

情報連携が始まれば、児童手当や税金の減免手続きなどで役所への申請書類が減り、国民の利便性が高まるとともに、自治体の事務処理も軽減されると政府は主張しているのですが、残念なことに日本のデジタル化の遅れがもはや先進国とはいえないほど酷いものだということが国民にもわかってしまうようなことになってしまいましたね。