休業に関する賃金

休業の場合、勤務者は会社に対して労務を提供していないわけですから、会社側はお金を払う義務はありません。

しかし、年次有給休暇ともなるとその文字どおり「有給」となるわけですから、お金を支払う必要があります。

休業

支払いが必要となるもの

年次有給休暇

年次有給休暇には「平均賃金」「通常支払われる賃金」「健康保険法による標準報酬日額」という3種類の支払い方法があり、就業規則などでどの支払い方法を選択するのかを明確にしておく必要があります。

特に 「健康保険法による標準報酬日額」 の場合は、労使協定が必要となるので注意が必要です。

使用者の責による休業

業績不振や天変地異などにより自宅待機となるなどの会社からの命の場合、労働者には何の過失もありませんから、会社は社員に対して休業手当として平均賃金の60%以上を支払わなければなりません。

支払い不要でも保険給付が受けられるもの

私傷病による休業や産前産後による休業のほか、育児・介護休業を利用した場合、一定の要件を満たすことで、給与を受けられなくても健康保険制度や雇用保険制度から保険給付を受けることができる場合があります。

「就業規則の定めによるもの

原則としてはあくまでもノーワーク・ノーペイの法則に則るのですが、会社側で就業規則に定めることであれば有給扱いにすることは可能です。

道義的、福利厚生的な観点から、慶弔などの特別休暇や生理休暇などを有給とする会社も最近は増えてきています。

賃金には時効がある

労働者が会社に対して賃金を請求する権利のことを賃金請求権というのですが、この賃金請求権に時効があります。

労基法では、

この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する。

https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%8A%B4%E5%83%8D%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E7%AC%AC115%E6%9D%A1

と定められていて、賃金や災害補償を請求する権利は2年で消滅することになっています。

退職金については、その金額が大きいということもあり、消滅時効が5年とさだめらえています。