不合理な差別は禁止

労働基準法では、第4条において「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」と規定されており、女性であるからといって、給与について男性と差別化することは禁止されています。

男女差別

このことを男女同一賃金の原則といい、 以下のようなことは禁止されてます。

  • 男女別に給与体系を定めている
  • 給与規程に「家族手当、住宅手当などを男性だけに支給する」などのような規定をしている|
  • 女性だけに対して昇給の制限をしている

このような規定違反は、刑罰の対象となります。

このような規定は男女平等となっておらず「女性であること」というだけで給与差別をしていることになります。

勤続年数や職務内容、技能、能率、年齢などの違いによって給与に差が出ることは、男女の違いによる差別には当たらないとしています。

しかし、勤続年数、職務内容、技能、能率といった違いを隠れみのにし、「本質は女性であるための給与差別をしている」として従業員が会社側に対し、賃金差額相当分の損害賠償を請求する例があったのですが、これは会社側が敗訴して損害賠償を支払うというケースもありました。

欧米と比較して、日本はいまだに根強い男尊女卑社会ではありますが、「女性である」ということを理由とした給与差別については、差別と解釈される範囲を広くとらえておくべき必要があり、これは男女間だけの問題でもなく、正社員と非正規社員との間の不合理な処遇の差別も同様です。

働き方改革により、同一労働・同一賃金の義務化が大企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月からスタートします。

これは正社員と同じ条件で業務を行っているにも関わらず、パートやアルバイト、契約社員、派遣社員というだけで、賃金や待遇を差別することを禁止するものです。

賃金や待遇に差がある場合、非正規社員に対して事業者はその理由を説明 することが義務づけられますので、今までの古い日本社会の働き方の考えを改め、新しい時代の働き方へと移行し、労働生産性を上げていきたいものです。