有給休暇の給与計算

年次有給休暇、いわゆる「有給休暇」は、 給与の支払いを受けながら休暇がとれるという制度で、労働基準法によって定められており、有給休暇中の給与の支払方法については以下の3つが決められています。

  • 平均賃金を支払う
  • 所定労働時間に労働した場合の賃金額を支払う
  • 健康保険法による標準報酬日額を支払う
平均賃金

これらの方法のどれを採用するかは、就業規則などであらかじめ定めておく必要があり、「健康保険法による標準報酬日額」については労使協定で合意を得ておかなければなりません。

どの支払方法がいいのかについてはその働き方によって異なっており、労働時間が短く健康保険の被保険者資格がないパートタイマーなどであれば「平均賃金を支払う方法」や「所定労働時間に労働した場合の賃金額を支払う方法」がいいでしょう。

平均賃金の計算方法

平均賃金というのは、労働基準法によって産出が定められているもので、有給休暇の支払いのほか、解雇予告手当や休業手当などを支払う際の算定基準となります。

一般的に平均賃金は、これを算定すべき必要の起こった日の、直近の給与締切日より前3か月間に支払われた給与総額を3か月間の総日数で割って算出することになります。

しかし、労働日数の少ない日給制や時間給制、歩合給制などでは、この計算方法が不公平になることもあり、その場合の平均賃金は、3か月間に支払われた給与総額を、総日数ではなく労働日数で割って算出します。

しかし、平均賃金の算定期間に業務上のケガなどで休業した期間があった場合などは、その分を算定期間から除外し、臨時に支払われた賃金や賞与、就業規則で定められている現物給付なども給与総額には含まれません。

ちなみに平均賃金による給与支払いが必要なのは以下の5つのケースとなります。

  • 解雇予告手当を支払う
  • 会社都合による休業手当を支払う
  • 業務上災害に対して災害補償を支払う
  • 減給の制裁を行う
  • 有給休暇中の給与を平均賃金で支払う